九州地方の「朝課外」に関する調査結果を、引き続きご紹介します。
「朝課外」は早朝に行われる課外授業を指しており、通常授業が始まる前に行われている取り組みです。
昨今では、生徒や保護者への負担や、教員の働き方改革などの観点から、あり方が見直されています。
Studyplusトレンド研究所では、九州在住で学習管理アプリ「Studyplus」を利用している現役高校生を対象に、「朝課外」に関する調査を実施しました。
前回の記事では、「朝課外」の実施実態を中心にご紹介しました。
今回は、「朝課外」の実施内容を深掘りしております。
<調査概要>
調査対象 : 九州地方の高校に通う「Studyplus」ユーザー
回答者 : 762名
調査方法 : インターネット調査
調査時期 : 2023年2月10日〜2月13日
※回答者の内訳
都道府県別 :福岡県331名、鹿児島県123名、沖縄県88名、熊本県72名、宮崎県66名、大分県29名、長崎県28名、佐賀県25名
高校区分別 :国公立574名(国立3名・公立571名)、私立188名
高校タイプ別:普通科685名、専門学科62名、総合学科15名
学年別 :高校1年生297名、高校2年生460名、高校3年生5名
※本記事におけるデータは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
「毎日」行われているケースが多い「朝課外」ですが、参加は必須なのでしょうか?任意なのでしょうか?
「朝課外」が「ある」もしくは「入学してからしばらくはあったが、途中で廃止された」と回答した生徒から、回答を回収しました。
必須参加は46.0%、任意参加が45.6%とほぼ同数という結果になりました。
しかし、その他の回答の自由記述を見ると、「任意参加であるものの半強制」という回答を多く得ました。
一部回答をご紹介します。
「任意ですが、場合によっては授業を進められることもあり、辞めたくても辞めにくいと言っている人が多いです。ただ学年が下になるにつれて、強制力は弱くなってきているように感じます。また、時期によっては、選択制で受けたい内容の朝課外を選べたりもします。」
「任意だが授業が進むため参加しないと勉強についていけなくなるため、ほぼ強制参加。」
「参加するかしないかの投票はあるものの、雰囲気的に全員参加。参加しないに丸をつけている人を見たことがない上、遅刻でないかぎり休んでいる人を見たことがない」
実態としては、任意としつつも、必須での参加を求められる高校も多いのかもしれません。
県別の傾向としては、必須参加が9割以上という県がある一方で、福岡県は任意参加が多い傾向が見られました。
高校区分で確認すると、国公立は任意参加、私立は必須参加の傾向があります。
ここから、「朝課外」の授業形式・授業内容を確認していきます。
授業形式は、「通常授業と同じ」が最も多く、約8割となりました。
他の地域と比較して、九州では授業のコマ数が多い、というのが実態だと言えるのかもしれません。
学習内容も、「教科書に沿った学習」が最も多く、約6割。
続いて、「大学受験対策」が約半数となりました。
学習内容からも、「朝課外」では通常授業と同じ内容が行われていることが分かります。
「朝課外」が廃止になる高校が増えてきていますが、その後の取り組みは何か行われているのでしょうか?
「朝課外」が「入学してからしばらくはあったが、途中で廃止された」と回答した生徒に調査しました。
「特にない」が6割以上で多数となりました。
一方で、「朝自習」「7時限目」「補習授業」が新たにはじまったという回答もあります。
「朝課外」の分の授業を、別の形式で担保する学校は、一定あるようです。
最後に、「朝課外」のような通常授業外の取り組みについて、学校でどのような取り組みがあるのが望ましいか、回答に協力してくれた全生徒に聞きました。
約半数が、「自習時間を確保してほしい」「自習場所を確保してほしい」と回答しています。
また、「自分の勉強状況に関して、先生から定期的なアドバイスがほしい」という回答も約半数となりました。
「朝課外」に対する意見は両極あるようですが、学校で自身の学習に対する支援を求める生徒は多いことがわかります。「朝課外」のあり方が見直される中で、今後にどのような取り組みが学校で行われるか、注目していきたいと思います。
※今回記事で紹介した調査結果について、詳細をまとめたデータをPDFデータ60ページ程度のレポートにまとめております。
ご希望の方は、以下よりお申し込みください。
Studyplusトレンド研究所では、学習管理アプリ「Studyplus」のユーザーである若者に向けて、定期的に調査を行っています。
企業・教育機関などで、若者を対象とした共同調査や研究をご希望する方は、問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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