新型コロナウイルス感染症が全国的に蔓延し始めた2020年3月、学校の一斉休校が始まり、学校によっては数か月間にわたって学生たちが登校できないような状況となりました。
学校・塾・予備校のあらゆる教育機関で、学生たちの学びを継続するためにオンラインの環境を整備する動きが行われましたが、教室や家庭環境によってリソースやコストも違うため、オンライン授業についてはばらつきがある状況となっていました。
今回、Studyplusトレンド研究所では、全国の中学生・高校生・大学生のユーザー3,200名を対象にした「学校でのオンライン授業に関するアンケート調査」、全国の通塾中の中高生ユーザー1,253名を対象にした「塾・予備校でのオンライン授業に関するアンケート調査」を実施しました。
コロナ禍が続く中でも、学生たちはオンライン授業を受ける機会があるのか、またオンライン授業に対してどんなメリット・デメリットを感じているのか、を聞きました。
学校でのオンライン授業について
◆本調査の概要
調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(中学生・高校生・大学生)
回答者 : 3,200名
調査方法 : インターネット調査
調査時期 : 2022年7月7日〜7月8日
学校における、現在のオンライン授業の状況です。
中高生にフォーカスすると、現在もオンライン授業が「ある」と答えた割合は10%前後。
ほぼ、リアルな空間で授業が行われていることがわかります。
学校の種別で確認すると、国公立の中学生でオンライン授業を「ある」「以前はあった(現在はない)」と回答した割合の合計は38.3%である一方で、私立の中学生は合計62.7%。
国公立の高校生では合計45.4%である一方で、私立の高校生は合計69.1%。
それぞれ、私立が国公立を約25%上回る結果を得ました。
中学・高校では、私立の方が国公立よりもオンライン授業が積極的に行われている、または行われていたことがわかります。
大学生の結果を見ると、現在もオンライン授業を「ある」と回答した割合が高くなっております。
リアル・オンライン双方の形式を取り入れて、授業を行っている大学も多いようです。
種別で見ると、国公立では57.4%、私立では49.7%という結果になりました。
では、オンライン授業に対する学生たちの満足度はどうなっているのでしょうか。
5段階評価で満足度を聞いたところ、中高生は国公立・私立ともに中間点の「3」が最多です。
大学生では、満足度の高い「1」「2」の割合が、中高生と比較しても高い結果となりました。
現在もオンライン授業を継続している大学生の方が、オンライン授業に対する満足感・納得感を感じていることを示しているかもしれません。
続いて、オンライン授業を経験したユーザーに、具体的に気に入っている点を聞きました。
各属性で最も多かったのは、「通学時間がかからないこと」。全体では7割を超え、大学生に限ると8割を超えました。
また、大学生に関しては「遠方にいても授業を受けられること」(国公立で66.7%・私立で52.5%)、「録画で授業の見直しができること」(国公立で44.1%、私立で51.2%)に、中高生と比較しても高い利便性を感じていることがわかります。
では続いて、不満に感じている点です。
中高生が不満に感じた項目1位は「画面越しで質問しづらいこと」、大学生が不満に感じた項目1位は「先生やクラスメイトとの人間関係が築きにくいこと」という結果になりました。
中高生は授業に関して、大学生は学校生活での人間関係について、オンライン授業における不満があることがわかります。
塾・予備校でのオンライン授業について
◆本調査の概要
調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(中高生)
回答者 : 1,253名
調査方法 : インターネット調査
調査時期 : 2022年7月7日〜7月8日
続いて、通塾中の中高生を対象に塾・予備校での状況を聞きました。
中学生は33.2%、高校生は37.4%が「ある」と回答。
学校よりも、現在オンライン授業をやっていると回答した割合が高い結果を得ました。
満足度は、どのようになっているのでしょうか。
学校での同じ質問と比較すると、不満の割合が下がっています。
中学生・高校生とともに、中間値である「3」が最多ですが、高校生は最も高い満足度を示す「1」の割合が高く、不満も少ない結果を得ました。
続いて、具体的に気に入っているポイントについてです。
中学生、高校生ともに「通塾時間がかからないこと」を上げる結果になりました。
学校と同様、移動時間を省けるのは大きなメリットとなっているようです。
中学生に関しては、「感染症の対策になること」も30%を超える結果を得ました。
最後に、不満な点についてです。
最も多かったのは「画面越しで質問しづらいこと」。
こちらも、学校と同じ要素で不満が見られる結果となりました。
Studyplusトレンド研究所では、学習管理アプリ「Studyplus」のユーザーである若者に向けて、定期的に調査を行っています。
企業・教育機関などで、若者を対象とした共同調査や研究をご希望する方は、問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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