2022年7月10日に投開票が行われた「第26回参議院議員通常選挙」。
選挙年齢が2016年に18歳へと引き下げられたこともあり、選挙期日の翌日までに18歳の誕生日を迎えた現役高校3年生は、投票権を持つこととなっています。
Studyplusトレンド研究所では、以前「成人年齢引き下げに関する調査」を行った際に、現役高校3年生に成人=18歳になったらやってみたいことを尋ねたところ、約6割のStudyplusユーザーから「選挙の投票」という回答を得ました。選挙に対して高い関心を持つ高校3年生が一定数いることがうかがえます。
そこで今回は、直近の参院選の投開票日及び翌日に、高校3年生を対象にしたアンケート調査を実施しました。
どんな理由で選挙に行ったか、どんな政策に興味があるか、など、高校3年生たちの選挙に対する生の声をお届けします。
<調査概要>
調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(現役高校3年生)
回答者 : 2,045名
調査方法 : インターネット調査
調査時期 : 2022年7月10日〜7月11日
<本調査に関する補足>
本調査は、学習管理アプリ「Studyplus」を利用している現役高校3年生に任意での調査協力を依頼した結果、ご回答いただいたデータの集計結果になります。
以下の調査項目の結果が示すように、選挙に対する興味関心が比較的高いと考えられる高校3年生から多くの回答を得る結果となりました。
【調査項目】
・今回の参議院選挙で、あなたには選挙権がありましたか?(n=2,045)
・あなたは投票に行きましたか?(n=1,299)
【回答】
・現役高校3年生の63.5%が「選挙権があった」と回答。
・「選挙権があった」現役高校3年生のうち、95.8%が「投票に行った」と回答。
今回の参議院選挙について
まずは今回の参院選に対する、高校3年生の興味関心度を聞きました。
8割を超える高校3年生から、「興味がある」という回答を得ました。
「投票に行った」と回答した高校3年生の割合の高さにも現れているように、今回のアンケートには選挙に対する興味関心の高いユーザーにご回答をいただいたことがわかります。
今回、アンケートにご協力いただいた高校3年生のうち、選挙権を持っていた割合が以下となります。
63.5%が選挙権を持っておりました。
そのうち投票に行った割合は、前述の通り、95.8%という数字になっております。
選挙に行ったと回答した高校3年生に、投票した理由を聞きました。
最も多かったのは「選挙に行くのは国民の義務だと思うから」で、約7割の回答を得ました。
「選挙会場や投票を体験してみたかったから」「政治に興味があったから」も多くの回答を得ました。
一方で、行かなかったユーザーにもその理由を聞きました。
最も多かったのは、「投票所に行くのが面倒に感じたから」で、35.2%。
「投票したい政党・候補者がいないから」「用事があって行くことができなかったから」が続きました。
「その他」の回答の中には、「学校のテスト期間が選挙1週間前だったことと、受験勉強に忙しいことから政治家に関する情報収集をしている余裕がなかった。」「コロナになったから」などの意見が見られました。
テスト期間やコロナ感染など、外的要因でやむを得ず行かなかった高校3年生も一定数いるようです。
選挙全般について
続いて、今回の参院選に限らず、政治への興味関心についてを高校3年生に聞きました。
18歳の選挙権については、8割以上が妥当だと考えていることがわかります。
選挙への意識が高いユーザーによる回答、であることも影響しているかもしれません。
選挙に足を運んだユーザーが多い中でも、支持政党があると回答したのは31.2%にとどまりました。
最も興味がある政策は「子育て・教育」。
約6割の回答を得ており、高い関心を持っていることがわかります。
「経済政策」「ジェンダー」も4割を超えており、高校生にとっての関心が強いジャンルだと言えそうです。
高校3年生たちがはじめて選挙に行った感想
今回、はじめて選挙を経験した現役高校3年生たちから感想を寄せていただきました。
その一部をご紹介します。
<投票した感想>
「意外と投票するのは簡単だった」
「初めてだったので緊張した」
「今回初めて投票したが、より政治に興味を持つ良い機会になった。日頃からもっと政治に興味をもつ事が大切だと思った。また、他人事ではなく自分の事として政治を捉えていきたい。」
「その場ではほとんど投票の仕方を教えてもらえなかったので、選挙する時の動きについて事前に調べてないと、18歳になったばかりの人が投票しにいこう!と行ってみても少し難しく感じ、選挙というものにあまり良い印象が残らないのではないかなと思いました。」
<投票を通じて感じた課題>
「選挙の候補者についてどこで知識を得ればいいか分からなかった」
「学校で選挙に関することを扱う時間を設けるなど、ただ選挙権を与えるだけでなく高校生が投票しやすい環境を整えるべきだと思う。」
「下調べをしていないと、政党や候補者が多く、混乱してしまうのであらかじめ公約をチェックしたりしてから選挙に行くべきだと思った。」
「情報源がなさすぎる。あったとしてもわかりにくい。人生初の選挙だから色々頑張って調べたけど毎回これだったらやる気なくす。」
<投票率に関する意見>
「投票率の低さが問題だと思った。選挙権を持つまで社会のことをよく考えて、自分の意思を持とうと思った。」
「投票所に行っても自分と同じ世代の人がいなくて、若い世代の投票率の低さを直接感じた。」
「若い人も投票に行くべきだと言うのなら、もっと選挙のことについて教えてほしいと思いました。また、各政党、立候補している所について学ぶ機会があればもっと投票率が上がるんだろうなと思いました。」
「ネット投票が出来るようになればより投票率は上がるだろうと思いました。」
「同級生で選挙権があるのに行かない人が多くて驚いた。特に若い世代の人は全員が行くべきだと思う。」
<高校3年生の選挙権に関する意見>
「同程度の教育を受けているはずの(=思想の発達も同じとして良いはずの)同じ学年間で選挙権に差があることに納得できない。ex. 大学入試や就職は3月生まれも4月生まれも等しく扱われている。」
「同じ学年にも関わらず投票できる人とできない人がいるのは不思議に思った」
「実際働いてみないと実感できない問題も多々あり、社会に出ていない高校生にとっては難しく感じた部分があった。」
「若い世代に選挙権が与えられてもあまり興味がわかないのが正直な意見です。」
Studyplusトレンド研究所では、学習管理アプリ「Studyplus」のユーザーである若者に向けて、定期的に調査を行っています。
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