前回の記事では「大学受験期のスマホを活用した学習に関するアンケート」を通じて得た結果から、コロナ前・コロナ禍のタイムラインでの受験生のスマホ利用に関する変化について、ご紹介しました。
紹介した調査結果の中では、受験期のスマホの活用方法はもちろん、スマホの利用制限に関する考え方でも、意見は様々なものが見られました。
志望している大学への合格を勝ち取るために、多くの受験生たちはスマホとどう付き合うべきか、悩むところも多いのではないでしょうか。
今回の記事では、「大学受験期のスマホを活用した学習に関するアンケート」の中から、”第一志望”に合格した大学生たちの結果に焦点を当てた調査結果をご紹介します。
希望通りの進路で大学生活を送る学生たちに、受験期のスマホとの付き合い方を振り返ってもらいました。
<調査概要>
調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(現役大学生)
回答者 : 1,780名
調査方法 : インターネット調査
調査時期 : 2022年5月27日〜6月3日
<言葉の定義について>
「大学受験期」は、受験勉強が本格化する”高校3年生の夏頃~卒業”の期間として定義しました。
大学受験期におけるスマホの利用状況
まずは今回アンケートにご協力いただいた大学生ユーザーの、第一志望への合格状況について伺いました。
全体の49.4%にあたる880人のユーザーが、第一志望への合格を手にしていました。
ここからは第一志望に合格した880人にフォーカスして、スマホ利用に関するアンケート結果をご紹介します。
まずは所持状況について、聞きました。
第一志望合格者の82%がスマホを持っており、自由に使えたと回答しました。
持っていたが制限をかけていた割合が16.1%、持っていないが1.9%と続いていました。
自由にスマホを利用している受験生が、大半だったようです。
続いて、受験期のスマホの利用時間について聞きました。
最も多かったのは「1~2時間」で44.9%です。
また2番目に多かった「3~4時間」は30.9%、「5~6時間」は9.2%、7時間以上は5.7%となっています。
つまり、一日に3時間以上スマホを利用していた割合は、およそ半数近いという結果です。
受験生も、長時間にわたってスマホを利用していることがわかりました。
受験期も多くの時間、スマホに接触している大学生が多かったようですが、利用制限に関してはどのように考えているのでしょうか。
「少し制限した方が良い」と考えている大学生が、65.1%と最多数派という結果になりました。
「制限しなくても良い」と回答した割合も、全体の1/4にあたる25.7%となっています。
こちらの項目について、第一志望ではない進路に進学した大学生たちの回答結果もご紹介します。
第一志望合格者と比較して、第一志望以外の進路に進学した大学生は「少しした方が良い」「厳しく制限した方が良い」の割合が増えており、「制限しなくて良い」の割合が下がっていました。
受験期、スマホに時間を使いすぎたと感じている大学生も多いのかもしれません。
また、こちらの設問に関しては一部ユーザーから任意で回答理由をいただきました。
以下の通り、ご紹介します。
<制限しなくても良い>
「スマホで勉強することで隙間時間に継続的な勉強ができる。スマホが勉強にも休憩にも利用できるし、勉強していない方がストレスになって使わないようになる」(第一志望の大学に合格、使用時間5~6時間)
「過度にスマホを制限することで、かえってストレスが溜まってしまうため。ただし、スマホを触りすぎない環境(自習室で勉強するなど)に身を置くことは必要。」(第一志望ではない大学に合格、使用時間3~4時間)
<少しした方が良い>
「スマホで調べて解決することなどがあるので厳しく制限する必要はないが、少しは制限して勉強のための時間を作る必要があると思うから。」(第一志望の大学に合格、使用時間1~2時間)
「息抜きが全くないと精神的にかなりしんどいですし、動画講座をとってる方は必須だと思います。しかし、ついついいじりすぎちゃうと思うのでアプリの使用制限、時間制限が必要だと思います。」(第一志望ではない大学に合格、使用時間1~2時間)
<厳しくした方が良い>
「私はスマホ依存症と言っていいほど常にスマホを触っていたので、勉強に使うアプリ以外はスクリーンタイムなどで親に無理矢理制限してもらわないと勉強に集中できないくらいだったから。自制できる力があれば制限はいらないと思う。」(第一志望の大学に合格、使用時間3~4時間)
「自制心がない人は勉強に関係無いことをしてしまうから。自分を律する事ができる人なら使っていい」(第一志望ではない大学に合格、使用時間5~6時間)
スマホは日常生活で欠かせないアイテムであるため、制限しすぎるとストレスに繋がってしまうため、ある程度制限をかけながら使えるようにしておくべき、という意見が多く見られます。
一方で、自制心に自身のない学生は、厳しく制限し、使えない環境を作るべきだという意見も見られます。
スマホとの付き合い方は一括りにまとめることも難しいため、受験生たちは自分の性格や生活スタイルに合った使い方を、いかに確立するかが大事なのかもしれません。
大学受験期における”スマ勉”の状況
続いて、"スマ勉"の状況についてです。
第一志望に合格した学生の93.3%が、”スマ勉”をしているという結果になりました。
具体的な内容についても聞いていきました。
スマ勉”の具体的な内容は、3つのジャンルが見られました。
一つ目は、”学習をサポートするツール”としての利用。
今回アンケートは学習管理アプリ「Studyplus」ユーザーを対象としていたことも影響しており、「学習時間の管理での利用」は88.8%の割合でした。
また、「学習サポートサイト・アプリの利用(Qanda等)」は13.8%、Zoomを活用したオンライン自習室やLINEでの勉強通話などの「学習空間としての利用」も13.5%という結果です。
二つ目は、”学習教材”の利用。
スタディサプリ等の「映像授業の閲覧」は45.7%に上り、Abceed等の「学習系アプリの利用」は21.8%、ポルト(現在のStudyplusブック)やLibry等の「電子参考書の閲覧」も10.2%の割合で使用されていました。
三つ目は、”学習に関する情報交換・情報収集”としての利用。
「わからないのことのネット検索」は67.7%、YouTuberの勉強ライブ配信閲覧やTwitterの勉強垢等の「SNSを活用した勉強、情報交換」は35.9%と、高い割合で使用されています。
現在の受験生たちは勉強ツールを使うことはもちろん、日常使いしているツールを勉強にうまく活かしているようです。
ユーザーインタビュー
スマホを有効活用しながら、第一志望に合格した学生の声をご紹介します。
京都大学医学部1年生・男性
・第一志望に合格
・受験期のスマホ利用時間は1~2時間、映像授業教材や学習管理でスマホを活用
「受験勉強は、ピーク時は一日12時間は机に向かっていました。基本的には自分の部屋で勉強していたんですが、誘惑対策でスマホはリビングに置いていました。勉強記録は紙に書いておいて、後でまとめて「Studyplus」に入力するようにしていました。中にはスマホにかなり厳しく制限をかける人が周りにいたのですが、それがストレスになってしまい、変に集中力をそがれてしまうようなこともあると思います。受験に本気で取り組んでいる人ほどスマホをうまく活用していた印象です。」
京都大学総合人間学部1年生・男性
・第一志望に合格
・受験期のスマホ利用時間は7時間以上、映像授業教材や学習管理でスマホを活用
「受験期は、多い時で15時間、少ない時で7~8時間は勉強していました。隙間時間に、YouTubeで『家庭教師のトライ』の世界史の動画などを見ていました。移動中は、『mikan』や日本史の一問一答のアプリを使ってスマホで勉強していました。リュックから本を取り出すよりスマホで手軽に勉強できるのが良かったです。紙をメインで勉強して、デジタルは補助的な使い方です。受験期は勉強以外のアプリはほとんどいれていなくて、SNSもやっていませんでした。」
Studyplusトレンド研究所では、学習管理アプリ「Studyplus」のユーザーである若者に向けて、定期的に調査を行っています。
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