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Studyplusトレンド研究所

現役高校3年生の8割が「成人する実感がない」と回答、成人したらやりたいこと1位は「選挙」

更新日:2022年12月2日



2022年4月1日から施行された民法改正によって、日本における成人年齢は18歳に引き下げられました。この春に高校3年生になった学生たちは、2022年度内に成人を迎えます。



成人年齢引き下げが18歳にもたらす最大の変化は、親の同意なしに様々な契約を結べるようになることです。

お酒やたばこ、公営競技の制限年齢は変わらず20歳のままですが、クレジットカードなどの消費者契約が可能となりました。



現在懸念されているのは、18歳を迎えた新成人たちが消費者トラブルに巻き込まれるリスクです。

親の同意を得ずに契約した場合、原則として契約の取り消しができる「未成年者取消権」からも、18歳は対象外となりました。

今までも新成人は詐欺のターゲットに狙われやすい傾向にあり、社会経験のない18歳は狙われるリスクが非常に高いと言われています。



そこで今回の調査では、現役高校3年生たちに対して、「成人年齢引き下げ」「消費者トラブル」をテーマにしたアンケートを行いました。

自身が成人年齢を迎えることや、消費者トラブルのリスクに対する、リアルな声を集めています。


 

<調査概要>

  • 調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(現役高校3年生)

  • 回答者  : 1,379名

  • 調査方法 : インターネット調査

  • 調査時期 : 2022年4月6日〜4月7日

 

『成人年齢引き下げ』に関する意識調査


まず、現役高校3年生たちが、「成人」することをどう受け止めているかを聞きました。



今年度内に成人を迎えることについて、41.8%が「関心がある」、39.5%が「やや関心がある」と回答しました。

8割を超える現役高校3年生たちが、自身が成人することに関心を持っています。



一方、成人して大人になることが、実感がないと答えた現役高校3年生は、79.8%に上りました。

関心は持ちつつも、自分事として受け止めるのは、まだ難しいことが推察されます。


 

法改正によって、18歳になったらできるようになることへの認知度や関心事に関しても、質問を投げかけました。



「よく知っている」が24.4%、「少し知っている」が58.4%と、程度の違いはあれども、18歳になってできることへの認知は8割を超えています。




18歳になってできるようになることの中から、具体的にやりたいことを聞きました。


1位はほかの項目に大きく差をつけて、「選挙の投票」。

選挙年齢の引き下げ自体は2016年から施行されていますが、6割近い現役高校3年生たちが選挙へ行く意欲を持っているという結果になっています。


2位は「クレジットカードを持ちたい」34.1%、3位「部屋を借りて一人暮らし」30.3%と続きます。

自身で契約関係を行いたい、という願望を一定数の高校生たちが持っているようです。


それ以降は、4位「10年有効のパスポートを取る」24.4%、5位「国家資格を取る」23.1%と続きました。




 

『消費者トラブル』に関する意識調査


続いて、「消費者トラブル」に関してです。

クレジットカードや一人暮らしなど、契約が絡むことへの関心を一定数の高校3年生が持っている中で、彼ら彼女らはどのような認識なのでしょうか。



「消費者トラブル」のリスクを、9割近くが認識しています。



しかし、設問「消費者トラブルにあった際の、対策方法を知っていますか?」への回答は、「聞いたことはあるが、あまり知らない」29.3%、「知らない」13%という結果になりました。4割以上が、対策方法をよく知らないという結果になります。


消費者トラブルのリスク自体は認識している一方で、具体的な対策方法までをしっかりと理解している学生はまだまだ多いようです。


新成人の学生たちには、社会全体で呼びかけをし続ける必要がありそうです。



※困ったときは、「消費者ホットライン」188(消費者庁)へご相談を。


 

続いて、「消費者トラブル」を現役高校3年生たちが、どこで教わっているのかを調査。

学校、家庭での機会を聞きました。



学校では、84.3%が教わる機会があったと回答。

教育現場では積極的に、生徒たちへの指導を行っていることがわかります。


一方で、家庭での機会は、34.2%に留まります。


まだ知識が不十分だと感じている現役高校3年生が多い現状を踏まえると、学校での教育機会は引き続き必要であり、また家庭でも積極的な指導が必要な状況だと推察されます。

社会全体で、新成人たちを支えていくことが重要です。



 


成人を迎える高校3年生たちの生の声



最後に、高校3年生たちが成人を迎えるにあたっての思いの丈を聞きました。

ふたつの質問を投げかけています。


Q 成人=大人になるとはどういうことだと思いますか? ※必須項目


以下、一部コメントの抜粋


「自由に出来ることが増え、責任も重くなる」


「自分の行動全てに責任が伴う。「自立しなさい」っていう暗示みたいなものだと思ってます。」


「自分の行動に責任が問われるということ。今までは子供が何しても責任は親にあったけど,これからは自分で責任を負わなくちゃいけないし考えなくてはいけない。」


「親の同意なしに出来ることが増える反面、自分で責任を負わなければいけないことが増えるということ。」



上記のコメントにもあるように、成人することをしっかりと受け止めている学生は多く、全体の6割以上にあたる868名が回答に「責任」という言葉を使用していました。


 

Q 成人を迎える意気込みがあれば、ぜひ教えてください。 ※任意項目


 以下、一部コメントの抜粋


「今後自分が置かれる立場や責任を自覚し、一つ一つの物事に積極的に丁寧に取り組めて、さらには周りのことも気遣える人になれるよう努力していきたいと思っている。」


「あと1年も子どもでいられないが実感がなくて緊張しますが、大人になるのは楽しみです。」


「政治の仕組みなど、大人として知るべき知識が不足しているため補いたい。」



意気込みに関しても、強い決意の言葉をたくさん聞くことができました。

18歳で新成人を迎えることに戸惑いは多いようですが、自覚を持って向き合っている現役高校3年生は非常に多いです。

社会全体で、新成人たちを支えていくことができれば、未来は明るいと感じます。





 

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